広告を含みます

腸内フローラ検査の結果を開くと、「○○菌5%」「多様性スコア」「総合判定A」「Type B」など、種類の違う数字や評価が並んでいます。

ここで迷いやすいのが、

「5%は多いのか少ないのか」
「スコアが低いと腸内環境が悪いのか」
「タイプは体質を表しているのか」
「疾患関連度が高いと病気になりやすいのか」

といった点です。

腸内フローラ検査の結果を見るときに重要なのは、すべての数字を同じ意味として読まないことです。

菌の割合のように検査で解析された情報もあれば、検査会社が独自の基準で算出したスコアやタイプもあります。さらに、そこから健康状態や病気まで判断できるかどうかは別の問題です。

この記事では、「何点なら良いか」ではなく、結果画面に表示された数字が、どの種類の情報なのかを見分ける方法を整理します。

腸内フローラ検査の結果は「3種類の情報」に分けて見る

結果レポートを読むときは、まず次の3段階を分けて考えると整理しやすくなります。

  1. 検査で測定・解析された情報
    菌の構成比など、便検体を解析して得られた情報
  2. サービスが独自基準で算出した評価
    総合判定、多様性スコア、タイプ、独自スコアなど
  3. 医学的・科学的な判断
    健康状態や病気の有無、症状の原因など

さらに、検査結果や食事アンケートなどをもとに、食事・運動・生活習慣についてのアドバイスが表示されるサービスもあります。

たとえば、

ある菌が5%だった
↓
サービス上では「少なめ」と評価された
↓
健康状態が悪い

という3つは、同じ意味ではありません。

腸内フローラ検査で医学的にどこまで判断できるかについては、別記事で詳しく整理しています。

腸内フローラ検査でわかること・わからないこと|結果からどこまで判断できる?

まずは菌の構成と「割合」を確認する

結果画面を開いたら、まず菌の構成や割合から見ていくと、その後に表示されるスコアや評価との違いを整理しやすくなります。

「菌5%」は何に対する割合?

Mykinsoでは、腸内細菌の割合を解析して結果を表示しており、各細菌の量(数)そのものは分からないと案内しています[1]。

たとえば、ある菌が「5%」と表示されている場合は、その菌の構成比を示す数値として読みます。

「体内にその菌が5%存在する」「菌の絶対数が分かる」といった意味に広げないようにしましょう。

割合が2倍でも菌数が2倍とは限らない

前回の検査で5%だった菌が、今回10%になったとします。

数字だけを見ると「菌が2倍に増えた」と考えたくなりますが、割合の変化だけではそこまでは判断できません。

たとえば、

  • その菌自体が増えた
  • ほかの菌が減った
  • その菌とほかの菌の両方が変化した

といった可能性があります。

マイクロバイオーム解析では、相対的な割合と絶対量は分けて考える必要があります[4]。

そのため、割合として表示されている項目では「5%→10%だから菌数が2倍」とは読まないことがポイントです。

一方で、すべての腸内フローラ検査やすべての表示項目が相対割合だけを扱っている、と一般化することもできません。自分が見ている数値が何を表しているのか、各サービスの説明を確認しましょう。

「平均より多い/少ない」は比較対象を確認する

Mykinsoでは、自社調べの平均値との比較で、「多め」「少なめ」といった相対的な評価を確認できます[1]。

ただし、何人のデータなのか、どの年齢層が含まれるのか、男女差をどのように扱っているのかなど、公開情報だけでは確認できない部分があります。

そのため、

平均より少ない=医学的に不足している

とは考えないようにしましょう。

多様性スコアは「健康点」ではない

腸内フローラ検査では、「多様性」という言葉もよく登場します。

多様性は菌の種類数だけではない

一般に細菌叢の多様性は、単純な菌の種類数だけでなく、複数の菌がどの程度均等に存在しているかといった要素も含む概念です。

ただし、市販サービスが表示する「多様性スコア」が、具体的にどの計算式を使っているかは別の話です。

一般的な多様性指数の計算方法を、そのまま各商品のスコア算出方法だと考えないようにしましょう。

サービスによって表示方法が違う

多様性に関する情報の見せ方も、サービスによって異なります。

サービス多様性に関する表示
Mykinso多様性スコアと「高い」「平均的」「低い」などの評価[1]
chatFLORA G腸内総合得点について、さまざまな菌がいるか、菌の構成が偏っていないかなどを総合的に確認[2]
Flora Scan「菌の種類の豊富さ」を5段階で表示[3]

各サービスの具体的な計算式や点数配分が公開されていない場合、それをSHIRUNE側で推測することはできません。

そのため、

「Mykinsoの○点とchatFLORA Gの○点は同じ」

といった横比較は避けましょう。

高ければ必ず健康とは限らない

多様性スコアを見ると、「高ければ高いほど健康」と考えてしまいがちです。

しかし、市販サービスの多様性スコアは、各サービスが設定する評価指標として読む必要があります。

一つのスコアだけから、

  • 健康である
  • 病気である
  • 腸内環境全体が良い/悪い

と判断するものではありません。

総合判定・スコアはサービス独自の評価として読む

菌の構成や多様性など、複数の情報をまとめて「総合判定」や「総合得点」として表示するサービスもあります。

MykinsoではA〜Eの総合判定、chatFLORA Gでは総合得点やカテゴリー別スコアなどが確認できます[1][2]。

ここで重要なのは、異なるサービスの点数や判定をそのまま横比較しないことです。

たとえば、Mykinsoで「A」だったとしても、別サービスの評価と同じ基準で算出されているとは限りません。

同様に、

「70点だから70%健康」

という意味でもありません。

総合判定や独自スコアは、そのサービスが採用する基準で算出された評価として確認しましょう。

腸内フローラタイプは「体質診断」ではない

複数の菌の構成などから、結果をいくつかのタイプに分類するサービスもあります。

ただし、「Type A」「Type B」といった表示を、生まれつき決まった体質診断のように受け取らないことが大切です。

Flora Scanでは、日本人1,803名のデータを統合解析し、腸内フローラを次の5タイプに分類しています[3]。

  • Type A:たんぱく・脂肪タイプ
  • Type B:バランス食タイプ
  • Type C:アンバランス食タイプ
  • Type D:たんぱく・脂肪・糖タイプ
  • Type E:ヘルシー食タイプ

これは5タイプを比較した際に示される食事傾向であり、日本人の平均摂取量や推奨摂取量と直接比較して、「栄養素を摂りすぎている」と判定したものではありません。

そのため、たとえばType Dだったからといって、

「実際に糖を食べすぎている」

と断定することはできません。

chatFLORA Gでも5タイプ分類が案内されていますが、具体的な分類アルゴリズムなど、公開されていない内容を補うことはできません[2]。

また、MykinsoにもA〜Eの表示がありますが、こちらは総合判定です[1]。

Flora ScanのType A〜Eという「腸内フローラタイプ」とMykinsoのA〜Eの「総合判定」は別のものです。同じアルファベットが使われていても、同じ分類として読まないようにしましょう。

個別菌・有用菌・要注意菌はどう見る?

結果レポートでは、菌名だけでなく「有用菌」「要注意菌」「善玉菌」「悪玉菌」などの分類が表示される場合があります。

Mykinsoでは「有用菌」「要注意菌」、Flora Scanでは「善玉菌」「悪玉菌」などの名称が使われています[1][3]。

SHIRUNEでは、これらを各サービスが使用している分類として扱います。

すべてのサービスで共通する分類基準がある、という意味ではありません。

また、

要注意菌が検出された=不健康
悪玉菌はゼロにすべき

とも判断できません。

菌の名前だけを見るのではなく、

  • どのくらいの割合だったか
  • サービスではどのように評価しているか
  • その分類がサービス独自のものか

を分けて確認しましょう。

疾患関連度が高くても「病気になる確率」ではない

腸内フローラ検査の中には、特定の疾患との関連情報を表示するサービスがあります。

ここは、とくに数字の意味を取り違えやすい部分です。

サービス疾患関連情報の扱い
Mykinso一般向けMykinsoでは疾患リスク判定を主要結果項目として扱わない。疾患リスクを扱うMykinso Proとは別サービス
chatFLORA G疾患との関連情報を表示。ただし医療・診療行為ではなく、統計データに基づく表示で、個人の疾患リスクを予測・判断するものではない[2]
Flora Scan疾患関連度を表示。ただし診断結果や発症確率を示すものではない[3]

そのため、結果画面に疾患関連の数値が表示されても、

「その病気になる確率」

と読み替えないようにしましょう。

たとえば、

疾患関連度4=発症確率が4倍

という意味ではありません。

腸内細菌叢と病気の関連、そして市販検査から医学的に判断できる範囲については、こちらの記事で整理しています。

腸内フローラ検査でわかること・わからないこと|結果からどこまで判断できる?

食事・生活習慣アドバイスは「次に試すこと」を考える材料

結果レポートには、菌の情報やスコアだけでなく、食事や生活習慣についての提案が表示される場合があります。

各サービスのアドバイスには、次のような違いがあります。

サービスアドバイスの例
Mykinso菌の検査結果などに応じた改善アドバイス[1]
chatFLORA G検査結果と簡易食事アンケートを組み合わせ、食材・栄養素・行動習慣などを提案[2]
Flora Scan腸内フローラタイプや菌の結果などに応じた食生活の提案[3]

特にchatFLORA Gでは、菌解析だけではなく、簡易食事アンケートの内容も組み合わせています。

こうしたアドバイスは、結果を見たあとに次に何を試してみるか、生活をどう振り返るかを考える材料として使えます。

一方で、

おすすめされた食品=その人に医学的に最適な食品

とまでは判断できません。

食物アレルギーや持病、治療中の食事制限などがある場合は、検査レポートの提案だけで判断しないようにしましょう。

再検査では「何が変わったか」を見る

Mykinso、chatFLORA G、Flora Scanでは、過去の結果やスコアを確認できます[1][2][3]。

再検査で見るときも、数字の意味を広げすぎないことが重要です。

たとえば、

スコア60 → 70
=医学的に10点分健康になった

とは言えません。

また、

菌3% → 6%
=菌の絶対数が2倍になった

とも限りません。

再検査の結果は、まず

「今回の便検体では、前回とは異なる菌構成やサービス上の評価になった」

という範囲で確認しましょう。

食事を変えた、サプリメントを飲んだ、運動を始めたといった変化があったとしても、検査結果だけから特定の一要因を原因として断定することはできません。

再検査のしやすさや過去結果の確認方法は、検査サービスを選ぶときの比較項目にもなります。

腸内フローラ検査の選び方|購入前に比較したい6項目

迷ったらこの順番で結果を見る

結果画面には、菌の割合から総合スコア、タイプ、生活アドバイスまで多くの情報が並ぶため、最初からすべてを同時に理解しようとすると混乱しやすくなります。

SHIRUNEでは、情報の種類を混同しにくくするため、次の順番で確認することを提案します。

  1. 菌の構成・割合
    まず、実際に解析された菌の構成を確認する
  2. 多様性
    菌の多様性について、サービスがどのような結果や評価を示しているか確認する
  3. 総合判定
    サービス全体としてどのような評価になっているかを見る
  4. タイプ・独自スコア
    メーカー独自の分類・評価として確認する
  5. 個別菌
    特定の菌について、割合とサービス上の評価を分けて見る
  6. 疾患関連度
    診断や発症確率ではなく、サービス上の関連情報として確認する
  7. 生活アドバイス
    次に生活を振り返るための材料として読む
  8. 過去結果
    再検査している場合は、前回から何が変わったかを見る

これは医学的に決められた「正しい順番」ではありません。

測定・解析された情報と、サービス独自の評価、医学的な判断を混ぜないための見方です。

結果を見たときに「この数字は良いのか悪いのか」とすぐ結論を出すのではなく、

これは測定された値なのか
メーカー独自のスコアなのか
タイプ分類なのか
医学的な判断とは別なのか

と一つずつ確認していくと、レポートの意味を整理しやすくなります。


参考資料・出典

[1]Mykinso/株式会社サイキンソー公式
Mykinso Gut V2の商品情報、結果サンプル、公式FAQを確認。腸内細菌の割合、各細菌の量(数)は分からないこと、多様性スコア、A〜Eの総合判定、有用菌・要注意菌、改善アドバイス、過去結果の推移、自社調べの平均値との比較を確認。

Mykinso Gut V2
腸内の各細菌の量は分かりますか?|公式FAQ
疾患のリスクが分かるでしょうか?|公式FAQ

[2]chatFLORA G/株式会社KEAN Health・chatFLORA公式
腸内総合得点、5タイプ、8カテゴリー・40項目、疾患関連情報、簡易食事アンケートと検査結果を組み合わせた提案、過去スコア、医療・診療行為ではない旨、疾患リスク表示が個人の診断・予測ではない旨を確認。

chatFLORA G公式
chatFLORA公式

※2026年10月時点のメインブランド公式では8カテゴリー・40項目。一部の公式販売LPには7カテゴリー・39項目という表記も残っています。

[3]Flora Scan/株式会社プリメディカ公式・結果サンプル・FAQ
日本人1,803名のデータ、5タイプ分類、Type A〜E、タイプ間でみた食事傾向、日本人の平均摂取量・推奨摂取量との直接比較ではないこと、菌の種類の豊富さ、善玉菌・悪玉菌、疾患関連度、食生活提案、過去結果を確認。

Flora Scan公式
Flora Scan公式FAQ
Flora Scan結果レポートサンプル

[4]Wang X, Howe S, Deng F, Zhao J. Current Applications of Absolute Bacterial Quantification in Microbiome Studies and Decision-Making Regarding Different Biological Questions. Microorganisms. 2021;9(9):1797.
相対存在量と絶対量の違い、相対存在量だけで解釈する際の注意を確認。

PubMed

情報確認日:2026年10月6日