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「腸内フローラ検査」という言葉を聞いて、どんな検査なのか気になっていませんか。

腸内フローラ検査は、主に便に含まれる腸内細菌の情報を調べる検査です。自宅で利用できる検査キットでは、便を採取して検査先へ送り、菌の種類や割合、多様性などを確認できるものがあります。

ただし、検査結果に表示されるスコアやタイプは、サービス独自の評価である場合があります。また、便中の細菌を調べるだけで、病気の有無や体調不良の原因まで判断できるわけではありません。

この記事では、腸内フローラとは何か、検査の流れや結果の見方、商品による違いを、初めての方にもわかりやすく解説します。

腸内フローラ検査とは?まず知っておきたい基本

腸内フローラは腸内細菌などの集まり

私たちの腸には、さまざまな種類の微生物が存在しています。

そのうち、腸内細菌の集まりは「腸内フローラ」や「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれています。

腸内フローラは、特定の一つの菌の名前ではありません。

多くの種類の菌が集まっている状態を指す言葉です。

腸内細菌は、食べ物に含まれる成分の分解や、さまざまな物質の産生などに関わっています。

腸内フローラの構成は人によって異なり、食事や生活習慣、薬の使用などによって変化する場合があります。

腸内フローラ検査は便中の細菌を調べる

自宅用の腸内フローラ検査では、主に便に含まれる細菌の遺伝情報を解析します。

便には腸内細菌や、その細菌に由来するDNAなどが含まれているためです。

DNAとは、生物の特徴などに関する遺伝情報を持つ物質です。腸内フローラ検査では、細菌のDNAを調べることで、どのような菌が含まれているか、その構成を推定します。

ただし、便を調べた結果が、腸全体のすべての場所にいる菌の状態をそのまま表すわけではありません。

たとえば、小腸や腸の粘膜にいる菌を、すべて直接調べているわけではないためです。

病院で病気を調べる便検査とは目的が異なる

便を使う検査には、便潜血検査や感染症の原因となる病原体を調べる検査などもあります。

しかし、自宅用の腸内フローラ検査は、それらと同じ目的の検査ではありません。

腸内フローラ検査では、便に含まれる細菌の構成や、サービスが設定した評価を確認することが中心です。

病気を診断するための便検査とは、調べる対象や結果の意味が異なることを知っておきましょう。

自宅での腸内フローラ検査はどうやる?

自宅検査の流れ5ステップで確認
  1. キット準備必要なものと説明書を確認
  2. 採便説明書に沿って便を採る
  3. 返送指定された方法で検体を送る
  4. 解析検査先で菌の情報を解析
  5. 結果確認Webなど指定の方法で確認

検査の流れを示すイメージです。容器・採取方法・返送方法などは、利用するキットの説明書をご確認ください。

自宅用の郵送検査キットでは、一般的に次のような流れで検査を行います。

手順行うこと
1. キットを用意する対応する検査キットを購入・準備する
2. 自宅で便を採る付属の器具を使い、指定された方法で採便する
3. 検体を返送する採取した便を指定の方法で検査先へ送る
4. 検査先で解析する便中の細菌に関する情報を解析する
5. 結果を確認するWebなど、サービスが指定する方法で結果を見る

検査キットを用意する

腸内フローラ検査では、便を採取するための専用キットを使います。

商品によっては、採便用のシートや採取器具、保存液入りの容器などが用意されています。

また、採便の前後に会員登録や検査への同意が必要なサービスもあります。

自宅で便を採取する

説明書に従って、少量の便を採取します。

採取方法や必要な量、採便してから返送するまでの条件は商品によって異なります。

保存方法についても、常温でよいものや、指定された取り扱いが必要なものなどがあるため、必ず付属の説明書を確認しましょう。

検体を返送して結果を確認する

採取した便を検査先へ返送すると、検体の解析が行われます。

結果はWebのマイページなどで確認するサービスがあります。

ただし、結果までの日数や起算日、結果の受け取り方法は商品ごとに異なります。

「検体を採った日から何週間」なのか、「検査機関が受け取った日から何週間」なのかも、申し込み前に確認しておきたいポイントです。

検査結果では何が見られる?

結果を、2つの情報に分けて読む説明用の架空例
便を調べて得られる情報菌の解析情報

どのような菌が、どのくらいの割合を占めるか。

菌A:50%菌B:30%その他:20%

解析された菌の構成に占める割合の例

解析情報などをもとに作成する評価サービス独自のスコア・タイプ

サービスごとの基準で、点数やタイプを示します。

スコアの例72
タイプの例タイプB

表示項目や評価基準は商品ごとに異なります。医学的な健康判定ではありません。

割合は、菌の絶対数を表しません
割合の考え方:例①2 / 4 = 50%
割合の考え方:例②4 / 8 = 50%

同じ50%でも、総量は同じとは限りません。
割合だけでは、菌が何個いるかはわかりません。

●は割合を説明するための記号です。実際の菌数ではありません。

図中の割合・スコア・タイプはすべて説明用の架空例です。実測データや特定の商品の結果画面を再現したものではありません。

腸内フローラ検査の結果には、菌の解析情報と、その情報をもとにサービスが作成した評価が含まれることがあります。

ここでは、代表的な結果項目を紹介します。

ただし、すべての商品で同じ項目が表示されるわけではありません。

菌の種類や割合

検査で調べた便の中に、どのような菌が含まれているか、その構成を示す情報です。

たとえば「ある菌が10%」と表示されていた場合、解析された細菌の中で、その菌がどの程度の割合を占めているかを示しています。

これは菌の絶対数ではありません。

また、どこまで細かく菌を分類できるかは、解析方法によって異なります。

菌の多様性

多様性は、細菌の種類の豊富さや、菌の分布の偏りなどを捉えるための考え方です。

商品によっては、こうした特徴を数値や評価として表示します。

ただし、多様性が高ければ必ず健康で、低ければ病気というわけではありません。

腸内フローラタイプ

便中の細菌の構成などをもとに、サービス独自の基準でタイプ分けしたものです。

たとえば、ある商品では複数のタイプに分類し、食生活などに関する傾向を説明しています。

ただし、タイプ分類は商品ごとの基準で示されるものであり、すべてのサービスで共通する医学的な体質診断ではありません。

総合スコア

菌の構成や多様性など、複数の情報をもとに、サービスが算出する評価です。

点数やランクなどで表示されることがあります。

しかし、総合スコアが高いから病気になりにくい、低いから健康状態が悪いと判断できるわけではありません。

総合スコアは、どのような基準で算出されているかを確認して読むことが大切です。

食事・生活習慣のアドバイス

検査結果をもとに、食事や生活習慣に関する提案が示される商品もあります。

サービスによっては、検査結果だけでなく、食事アンケートなどの回答も組み合わせて提案を作成します。

こうした提案は、日頃の生活を振り返る参考情報として受け取るものです。

検査によって、自分にとって医学的に最適な食品が確定するわけではありません。

腸内フローラ検査でわかること・わからないこと

腸内フローラ検査で得られる情報と、医学的に判断できることは分けて考える必要があります。

確認できること検査だけでは判断できないこと
採取した便に含まれる細菌の構成など腸全体の細菌の状態すべて
検査で解析された菌の種類や割合病気の有無
商品によっては菌の多様性に関する情報便秘や下痢などの症状の原因
メーカー独自のタイプや総合評価将来の病気の発症
商品によっては生活習慣に関する提案個人にとって医学的に最適な食事

採便した時点の便中細菌叢の特徴を確認できる

腸内フローラ検査では、採取した便について、どのような細菌が含まれているか、その構成などを調べられます。

ただし、腸内細菌の構成は変化することがあります。

一度の結果を、一生変わらない自分の腸内環境として受け取ることはできません。

スコアやタイプは医学的な健康判定ではない

メーカー独自のスコアやタイプ分類は、結果を理解しやすくするための情報として示されることがあります。

しかし、どのような菌の構成がどの人にとって最適かを、単一のスコアで医学的に判断できるわけではありません。

商品間で評価基準が違う場合は、点数やランクをそのまま比較することにも注意が必要です。

病気の有無や症状の原因は判断できない

腸内細菌とさまざまな病気との関連については研究が進められています。

しかし、関連が報告されていることと、その菌が病気の原因であることは同じではありません。

2025年に発表された国際コンセンサス声明でも、マイクロバイオーム検査の臨床的な有用性を裏付ける証拠は、現時点では限定的とされています。

そのため、市販の腸内フローラ検査だけで病気の有無や将来の発症、症状の原因を判断することはできません。

症状が続いている場合や、病気が心配な場合は、検査キットの結果だけで判断せず、医療機関へ相談してください。

商品によって何が違うの?

腸内フローラ検査は、どの商品でも同じ内容を調べているわけではありません。

大きな違いは、解析方法、結果レポートに表示される項目、メーカー独自の評価基準などです。

解析方式の違い

便中細菌の遺伝情報を調べる方法には、複数の種類があります。

代表的なものを簡単に整理すると、次のようになります。

用語基本的な意味
16S解析細菌が持つ特徴的な遺伝子の一部を調べ、菌の構成を推定する方法
ショットガン解析検体に含まれるDNAを幅広く読み取り、菌の構成や遺伝子の情報などを調べる方法
ロングリード比較的長いDNA配列を読み取る技術的な特徴

ここで注意したいのは、16S解析・ショットガン解析とロングリードは、同じ基準で分けた三つの選択肢ではないことです。

16S解析とショットガン解析は、主に何を対象として解析するかという違いです。一方、ロングリードは、DNA配列をどの程度の長さで読み取るかという技術的な特徴を指します。

また、より細かい菌の分類ができることと、医学的な診断能力が高いことも同じではありません。

結果レポートの項目や評価基準も異なる

同じように便を調べる検査でも、結果レポートの内容は異なります。

ある商品では菌の割合や多様性を中心に示し、別の商品ではタイプ分類やカテゴリー別のスコア、食事に関する提案を重視している場合があります。

また、総合スコアやタイプ分類の算出方法もサービスごとに異なります。

そのため、結果項目の数が多いだけで、検査の良し悪しを決めることはできません。

自分が何を知りたいのかによって、確認すべき商品仕様は変わります。

どんな人が検討する?どんな商品がある?

腸内フローラ検査は、便中細菌の構成などを知りたいと考えたときの選択肢の一つです。

たとえば、次のような目的が考えられます。

  • 自分の便に含まれる腸内細菌の特徴を知りたい
  • 日頃の食生活を振り返るための情報がほしい
  • 検査結果を記録し、時間の経過による変化を確認したい
  • 菌の割合や多様性、タイプ分類などに関心がある

ただし、これらの目的があっても、必ず検査が必要というわけではありません。

また、検査結果の変化が見られても、その原因や健康への影響まで確定できるとは限りません。

代表的な自宅用腸内フローラ検査

国内で利用できる商品の例として、Mykinso、chatFLORA G、Flora Scanなどがあります。

Mykinso(マイキンソー)

便中の細菌構成や主要な菌の割合、多様性、サービス独自の総合判定などを確認できる検査です。

chatFLORA G(チャットフローラG)

第三世代解析技術による菌の分類や、カテゴリー別レポートなどを特徴としている検査です。食事アンケートと組み合わせた提案も案内されています。

Flora Scan(フローラスキャン)

便中の細菌情報をもとにした5タイプ分類や、食生活に関するアドバイスなどを提供する検査です。

これらは商品の代表例であり、どれかがすべての人にとって最も優れているという意味ではありません。

検査方式、結果項目、利用条件などには違いがあるため、関心のある商品については公式情報を確認してください。

次に知りたいことから記事を選ぼう

腸内フローラ検査の基本を理解したら、次は自分が気になるテーマに合わせて記事を選んでみてください。

検査結果の科学的な限界を詳しく知りたい方

腸内フローラ検査は意味ない?そう言われる理由と、結果をどう使えばいいか

検査の有用性や、結果を健康判断に使う際の注意点を整理しています。

スコア・菌の割合・タイプの見方を知りたい方

腸内フローラ検査の結果レポートでは何が見られる?スコア・菌の割合・タイプの読み方

自分に合う検査の選び方を知りたい方

腸内フローラ検査の選び方|購入前に比較したい6項目

代表的な商品同士の違いを知りたい方

腸内フローラ検査を比較|Mykinso・chatFLORA G・Flora Scanの違い

商品固有の条件を確認したい方

Mykinsoを申し込む前に確認したいこと

chatFLORA Gを申し込む前に確認したいこと

腸内フローラ検査は、便に含まれる細菌の情報を知るための検査です。

結果に表示される菌の割合や多様性、タイプ、総合スコアは、それぞれ意味が異なります。

大切なのは、検査結果を健康状態の良し悪しと単純に結び付けず、何が解析され、どのような基準で評価されているのかを理解することです。

検査を受けるかどうかも含めて、自分が知りたいことと検査内容が合っているかを確認しましょう。

参考資料・出典

  1. 日本消化器病学会|腸内フローラ検査で何がわかる? 検査を正しく知ろう
    腸内フローラ検査の基本、便中細菌の遺伝情報、16S解析とメタゲノム解析、病気との関連について。
  2. Porcari S, et al. (2025). International consensus statement on microbiome testing in clinical practice. The Lancet Gastroenterology & Hepatology.
    マイクロバイオーム検査の臨床的有用性と、現時点での科学的限界について。
  3. Mykinso|公式サイト
    自宅での採便・返送の流れ、結果レポートの内容について。
  4. chatFLORA G|公式サイト
    解析技術、カテゴリー別レポート、食事アンケートを組み合わせた提案について。
  5. Flora Scan|公式サイト
    腸内フローラタイプ、結果レポート、食生活に関する提案について。

情報確認日:2026年10月10日